このような症状の方はご相談ください。

• 発熱
• 鼻水・鼻づまり
• 咳・喘鳴
• のどの痛み
• 耳の痛み
• 腹痛
• 嘔吐
• 下痢
• 湿疹
• あせも
• 水いぼ
• とびひ　など

• 発熱
• 上気道炎
• 急性胃腸炎
• 麻疹
• 水痘（水ぼうそう）
• おたふくかぜ
• アデノウイルス感染症
• 手足口病
• ヘルパンギーナ
• インフルエンザ
• RSウイルス感染症
• 溶連菌感染症
• 突発性発疹
• 伝染性紅斑（りんご病）
• 川崎病
• 喘息
• アレルギー性鼻炎
• 食物アレルギー
• アトピー性皮膚炎
• 水いぼ
• とびひ　など

発熱

子どもの受診でもっとも多いのが発熱です。37.5℃以上を発熱と考え、それ以下であればほとんどの場合、心配がいりません。お子さんが熱を出すと心配になりますが、幼い子どもは感染する様々なウイルスが初めてであり、感染の都度、その防御反応としてよく熱を出します。また、体力もなく、疲れたり、興奮したりしただけでも熱が出ることがあります。発熱は病気のサインとして重要なうえ、体の防御反応ですから、むやみに薬で熱を下げる必要はありません。解熱剤などは医療機関の診察で病気の状態が把握されてから、医師の指示のもとで安全に使用してください。
幼稚園や保育園などに通いはじめたころは体調も崩しやすくなります。お子さんの様子を十分に観察して適切に対応しましょう。

上気道炎

いわゆる風邪に対して、特効薬はありません。症状を和らげるお薬を使いながら、自然治癒を待ちます。通常は2〜3日が発熱などの症状のピークで、鼻水や咳などの症状は1週間から10日ほどかけてゆっくりと改善していきます。

急性胃腸炎・感染胃腸炎

胃腸炎のほとんどはウイルス感染（ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスなど）で、一部に細菌性（カンピロバクター、サルモネラ菌、腸管出血性大腸菌など）が見られます。ウイルスが付着した料理を食べたり、手指についたウイルスが口に触れたりすることで感染し、冬場、幼稚園や小学校などで集団発生することも少なくありません。
症状は下痢、腹痛、嘔吐、発熱が多く、治療は脱水を予防し、症状に合わせた内服薬を服用します。細菌性が疑われる場合には抗生物質を使用することもあります。脱水予防には、自宅で出来る経口補水療法（ORT oral rehydration therapy）が効果的です。
家族に感染することも多いので、家族全員で手洗いを十分するように心がけましょう。

麻疹（はしか）

麻疹ウイルスによって引き起こされる全身感染症であり、空気・飛沫・接触感染経路によって鼻やのどから感染します。通常は10〜12日間の潜伏期を経て発症し、発熱、咳、鼻水、目の充血、赤くかゆみのある発疹などの症状が現れます。日本では麻疹ワクチンの普及により麻疹の発生は減少していますが、感染力がとても強く、脳炎や肺炎など重い合併症を起こすことがあるので、必ずワクチンを接種しましょう。

水痘（水ぼうそう）

水痘・帯状疱疹ウイルスが咳やくしゃみで飛び散り、それを吸い込んだり（飛沫感染）、水疱が破れて出てきた液に触ったりする（接触感染）ことで起こります。37～38度程度の発熱とともに、赤い小さな発疹が現れます。発疹は、水が入ってふくらんだ水疱になり、かゆみが強くなります。水疱は2～3日でしぼみ、黒褐色のかさぶたになり、1週間程度で治ります。水ぼうそうは治ってもウイルスは長く体の神経節細胞内に留まっているため、何年か後に帯状疱疹という病気を発症することもあります。

おたふくかぜ（流行性耳下腺炎）

正式には流行性耳下腺炎といい、ムンプスウイルスによる感染症です。主な症状は発熱と耳下腺の腫れです。耳の下から頬やあごなどが腫れて痛みます。まず片方が腫れ、2～3日経ってからもう片方が腫れてくる場合もあります。その後、1週間程度で自然に治ります。

アデノウイルス感染症（プール熱）

高熱が5日程度続く感染症です。目にも感染しやすく、目の充血、目やにを伴う場合は、プール熱とも呼ばれます。症状は、初期に熱だけのことも多く、途中から喉の痛みや咳、鼻水が出ることがあります。治療薬はなく対症療法を行います。感染力が強いため、熱が治まっても2日間は幼稚園や学校などを休むようにしましょう。

手足口病

エンテロウイルスというウイルスが原因で起こる病気で、手のひら、足のうら、口の中に水疱（水ぶくれ）ができるのが特徴です。
夏季に流行し、飛沫感染や、便から排泄されたウイルスが手に付着して感染することもあります。
潜伏期間は3～5日くらいです。口の中の発疹は盛りあがったり、水をもったりするブツブツで、破れて潰瘍になると、刺激のある物を食べるとしみて痛がるようになります。
手のひら、足のうらにも水疱性の発疹ができます。おしりや膝にもしばしば認めます。まれに髄膜炎を合併することがあるので、高熱や頭痛、ひきつけ、嘔吐などの症状が伴う場合は、すぐに受診しましょう。

ヘルパンギーナ

エンテロウイルスというウイルスが原因で起こる病気です。38〜40℃の高熱が2～3日続き、口の中に水疱ができます。のどの痛みで食べることが困難になります。重度の場合、水分も飲めず脱水症になることもあります。手足口病と似ていますが、手足に発疹はできません。

インフルエンザ

インフルエンザウイルスによる急性熱性感染症で、通常、寒い季節に流行します。感染を受けてから1～3日間ほどの潜伏期間の後に、38℃以上の突然の高熱、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛、関節痛などが現れ、咳、鼻汁、咽頭痛などの症状がこれらに続き、およそ1週間で軽快します。主な合併症としては肺炎、脳症が挙げられます。通常のかぜ症候群とは異なり急激に発症し、全身症状が強いことが特徴です。
季節性インフルエンザはいったん流行が始まると、短期間に多くの人へ感染が拡がります。学校感染症に指定されており、発症後5日を経過し、かつ解熱後2日を経過するまで（幼児は3日）登校（園）停止とされています。

RSウイルス感染症

鼻汁と発熱が出現し、2〜3日後頃より咳を認めるようになります。
年長児以上のお子さんは、咳の出現後に回復へと向かいますが、乳幼児のお子さんは更に悪化していくことがあり、ゼーゼーして呼吸が苦しくなることがあります。6ヶ月以下のお子さんや先天性心疾患のお子さんは重症化し、酸素投与など呼吸管理が必要になることもあります。

溶連菌感染症

溶血性連鎖球菌（溶連菌）による感染症で、かぜと同じような症状を起こします。急性咽頭炎を起こした場合、発熱してのどが痛くなり、のどや口の中が真っ赤になり、舌にいちごのようなブツブツができることもあります。食べ物を飲み込んだだけでも痛みます。喉の検査で診断がついたら、抗生物質を内服します。治療によって2～3日程度でのどの痛みや発熱、発疹などの症状は治まりますが、処方されたお薬は最後までしっかり飲み切ることが大切です。

突発性発疹

突発性発疹は、2歳までにほとんどの人がかかるとされている頻度の高い感染症です。発症すると、突然38℃以上の高熱が現れますが、食欲がない、機嫌が悪い、ぐったりしている、といった全身症状が目立たないケースが多いことも特徴です。通常、発熱は3〜4日で自然に治まり、解熱後に全身に発疹が多数みられます。発疹は2〜3日ほどで跡を残さず消失します。かゆみや痛みなどは伴いません。一般的に後遺症を残すことなく1週間程度で自然治癒する病気ですが、熱が上昇する際に熱性けいれんを発症することもあります。

伝染性紅斑（りんご病）

ヒトパルボウイルスB19というウイルスによる感染症です。唾液や鼻汁を介した飛沫感染・接触感染で感染します。
1～2日間の発熱と両頬の網状の発疹が主な症状です。発疹出現後7～10日前後で発疹は消失します。日光の刺激により、一度消失した発疹が再度出現することがあります。
妊婦さんが感染すると、胎児に異常をきたしたり、流産の恐れがあるため注意が必要です。

川崎病

4歳以下の乳幼児に好発する原因不明の急性熱性疾患です。

1. 発熱
2. 眼球結膜充血
3. いちご舌
4. 発疹(BCG発赤)
5. 首のリンパ節の腫脹
6. 手掌/足底の紅斑、回復期の落屑

6つの症状のうち5症状以上を認めれば、川崎病と診断されます。4症状以下であったとしても、不全型川崎病と診断されることもあります。
入院での治療が必要です。大量免疫グロブリン製剤投与、ステロイドパルス療法、血漿交換などを行います。冠動脈(心臓を栄養している血管)に病変を合併することがあり、慎重な対応が必要になります。

喘息

気管支喘息は、アレルギー物質、風邪などの感染症、天候や気圧の変化などにより、空気の通り道である気管支が狭くなり、呼吸が苦しくなる病気です。
ヒューヒュー、ゼーゼーという呼吸音とともに、息苦しさや咳がでます。発作が強いと、肋骨がへこむくらい全身で呼吸し、ぐったりしたり、眠れなくなったり、唇が青くなったりします。
発作に対しては、内服薬や吸入で症状を抑えます。発作を予防するために、お部屋の掃除やご家族の禁煙など環境を整え、長期的な内服薬や吸入で発作を抑える治療をします。

アレルギー性鼻炎

鼻粘膜に花粉やハウスダスト、ダニなどのアレルギー物質が付着し、くしゃみ・鼻汁・鼻づまり(鼻閉)といった症状を認めるアレルギー疾患です。
花粉症のようにある時期だけ症状が出る季節性アレルギー性鼻炎と、ダニやハウスダストなど年中あるアレルギー物質で症状が出る通年性アレルギー性鼻炎があります。
いずれもアレルゲンの除去・回避が治療の基本となります。必要に応じて抗アレルギー薬内服(抗ヒスタミン薬・ロイコトリエン受容体拮抗薬など)、点鼻薬(鼻噴霧用ステロイド薬)で治療します。
アレルゲン免疫療法(舌下免疫療法)という新しい治療法もあります。

食物アレルギー

食べたり、触ったり、吸い込んだりした食べ物に対して、体を守るはずの免疫システムが過剰に反応してしまい、有害な症状を来してしまう病気です。
年齢によってアレルギーを起こしやすい食べ物は異なります。
必要以上に食べる物を除去する必要はありません。正しい診断に基づいた必要最小限の除去が大切です。原因となる食べ物でも症状が誘発されないのであれば、食べられる範囲まで食べ続けることが大切です。

アトピー性皮膚炎

かゆみのある湿疹が、よくなったり悪くなったりを慢性的に繰り返す病気です。
アトピー性皮膚炎では、皮膚のバリア機能が低下してしまっていることが問題です。このため、外部からの刺激が簡単に皮膚の中に入ってきてしまい、様々な炎症が起こります。
細菌(黄色ブドウ球菌)、ダニ・カビ・ほこり、ペット、汗、ストレスなどはアトピー性皮膚炎を悪化させる要因です。
皮膚のバリア機能を回復させるため、スキンケアで皮膚を清潔な状態に保つことが重要です。
また、掃除をこまめにするなど悪化要因の除去を行い、薬物療法としてステロイド外用薬や免疫抑制の外用薬の塗布を行います。

水いぼ

伝染性軟属腫ウイルスというウイルスが原因です。
1～5mm大の光沢のあるいぼを認めます。水いぼの内部に白い粥状の内容物が詰まっていますが、強くつまむと内容物が排出されます。この内容物にウイルスが存在し、水いぼを引っ掻いてしまうことでどんどんと病変が拡大していきます。爪を短く切って清潔にし、水いぼを引っ掻かないようにすることが重要です。
特異的な治療法はなく、時間はかかりますが、発症後6ヶ月～5年程度経過すると自然に治ります。
ピンセットを用いて一つずつ摘除する方法や液体窒素療法や、ヨクイニンという漢方薬を長期間内服する治療法があります。

とびひ

暑い夏によくみられる病気です。皮膚表面に細菌が感染し、水疱や発赤、びらんなどができます。かゆみが強く、かきむしった手を介して、水ぶくれやかさぶたがあっという間に全身へ広がります。この広がり方から「飛び火」と呼ばれています。
治療は患部を清潔にして抗生剤の軟膏を塗布します。広範囲に認める場合には抗生剤を内服することもあります。適切な治療により、1週間程度で治っていく病気です。